マダム・ジジからの手紙
フランス・ロワール地方の古城に暮らす伯爵夫人、マダム・ジジからプティ・セナクルへ届いたメッセージをご紹介しています。
わたしたちは、高野山に向かって海沿いを南下しました。この旅は、計画した通り期待に応えるものでした。那智勝浦は、マジカルスポットです!私たちは、杉の木に囲まれた巡礼の道、大門坂を登りました。熊野那智大社の宮司さんが私たちを迎え入れてくれて、正式参拝で幸運と健康を祈って祝詞をあげてくださいました。それから、別の僧侶がお経をあげてくれている間に、ラブリーな巫女が躍ってくれました。また、宮司さんは式典の際の袈裟の違い、その着用法を教えてくれました。それは、アシスタントの僧侶の助けを借りても30分もかかるものなのです!
わたしたちはその後、那智の滝を訪れ、そこでは、おみくじを引いてより良い運を望むならそこに結び残すということを学びました。その夜は、川湯温泉の富士屋旅館という温泉に滞在。私たちの部屋には、木製のパトリックとわたしが二人で入ってもまだ有り余る大きさの露天風呂があって、満月の下でお湯につかりました。(この日は西行の月と呼ばれる満月の夜でした:コメントby キリ)
http://www.fuziya.co.jp/
天野の丹生都比売神社を訪れた後、高野山では、エレガントな宿坊に滞在しました。わたしたちの古い翼はわたしたちだけのもので、中央に禅ガーデンがひらけていました。2つの大広間には、絵が描かれた屏風があり、公共のお風呂に入った後に浴衣に着替えてディナーをとりました。僧侶がサービスしてくれるベジタブル・ミール(精進料理)は美しく、またもや何の食材か解りませんでした(苦笑)そして、キリチャンも含めてわたしたちは大広間で布団で休みました。とうとう、わたしは母を木製の日本スタイルのお風呂に入れることに成功しました!
http://www.soujiin.or.jp/index.html
http://www.niutsuhime.or.jp
夜明けにわたしたちは起きて、僧侶が朝一番にあげる6時からのお経に同席しました。寒かったので沢山厚着をしましたが、畳暖房(!)が入っていて暖かかったです。お経は長く瞑想的で、精巧に彫刻されたの木造の部屋に仏像が置かれ、蝋燭の火が点り、ミステリアスな雰囲気に包まれていました。わたしたちは食前の祈りを捧げた後に、再び部屋で朝食を食べましたが、これ以降、わたしは何も食べられなくなってしまったのです!わたしたちはバスで目抜き通りを抜けて、日本で初めて仏教を伝えた空海の眠る奥の院の墓地『永遠の瞑想』を訪れました。
長い東京までの旅の間に、新幹線の車窓から、頂上が雪に覆われた富士山を眺め、東京では、帝国ホテルのエクスクルーシブフロアに滞在しました。翌日、わたしたちは東京を探検しはじめ、ショッピングやアンティークショップを楽しみ、公演を散歩しました。また、フランス語も堪能なプティ・セナクルの生徒さんに囲まれ、プライベートハウスで東京の最も特別な夜を過ごしました。
翌日は、根津美術館を訪れました。 わたしは東京フォーラムで開催されていた現代アートフェアで、すばらしいギャラリー・トクラに、フランスから持参した4枚のパステル画をプレゼンテーションしました。ミーティングは滞り無く行われ、フェアの他のスタンドも見学しました。わたしは特に、オカノというアーティストの作品を展示していた銀座の柳画廊が好きでした。やさしく、そして、古さと新しさが調和しとても日本的だとおもいました。わたしたちは、現代アート・ミュージアムのトルコのファッションデザイナー、フセイン・チャラヤン展のオープニングセレモニーに参加し、東京の旅を終了しました。
過去の豊かな装飾性に揺るぎなく碇をおろしつつも、日本の、そのモダンな流行にわたしは心を打たれました。再び、早く日本を訪れたいです!それでは、また次回!
gigi
マダム・ジジ プロフィール
狩猟で有名な、ロワール地方、ソーミュールにほど近い「レ・ゾーベール」の森を所有する貴族、ド・ジュヌブライ伯爵夫人として消えつつある18世紀貴族の暮らしを今に残す生活を続けると同時に、アーティスト名、ハーパーでプロの画家としての制作も続けている。アメリカ、ヨーロッパ各地から個展を開催する傍ら、「SUNDAY」等のアートブックを出版。1990年、アメリカン・アカデミー・オブ・ローマ招聘アーティスト。
また、アメリカ独立戦争に関わった家族の末裔が中心になる活動「DAR」やロワール地方で毎夏開催されるイベント、オペラ・ボウジェ、等、音楽家や芸術家のパトロナージュを募る各種団体でメセナ活動を行っている。
『マダム・ジジに教わる〜フレンチ・マナーなおもてなし』
「Bon Chic vol.2 (別冊PLUS 1 LIVING・主婦の友社) 2010年3月」
『フランス的美生活』
「グレース(世界文化社)2007年10月号」
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