• マダム・ジジからの手紙

    フランス・ロワール地方の古城に暮らす伯爵夫人、マダム・ジジからプティ・セナクルへ届いたメッセージをご紹介しています。

    イタリア、幻想的なNinfa庭園より

    2016年11月18日

    親愛なる皆様

     イタリアの幻想的なNinfa庭園でのレジデンス制作は順調に進んでいます。Ninfa庭園はローマから南東に約1時間のところにあります。ここは庭園に関する大家であるCharles Quest-Ritsonが“世界で最もロマンチックな庭園”と評したことで知られており、またNinfa地方を何世紀にもわたり統治していた有力者 - カエターニ家の庭園であることでも有名です。カエターニ家は20世紀初め、11世紀から残る中世の廃墟を壮大な庭園に造り変えたのです。

     現在、庭園はカエターニ財団が管理しており、今回、この財団から作品の制作と展示を依頼されました。

     ここで2ヶ月半の間制作し、2017年の夏にはSermonetaにあるカエターニ城で作品を展示します。この期間は中世の町Sermonetaに滞在することも楽しみの一つです。

     とにかくこの庭園には驚ろかされました!ここでは秋の色が毎日少しずつ変化していきます。私はこれほど素晴らしい場所を見たことがありません。そしてなぜ制作がゆっくりと、じっくり考えながら進めなければならないのか、その理由を理解しようとしました。そこには深い精神性が満ち溢れて存在しています。私はそこで1日につき約5時間、作品を描き、または自分自身の魂がその場所の精神で満たされるまで歩き回っています。そこにはかつてここに住んでいたすべての人々の気配が宿り確固たるものの哀れに満ち溢れています。

     特にAdaと後の(最後のカエターノ家の当主)Lelia Caetaniが招き、Ninfaでの多くの芸術作品を生み出した偉大な芸術家たちの魂を感じます。私はこの壮大な伝統の一員になることを誇りに思います。

     NinfaとSermonetaに関する詳しい情報については,wikiの記事をご参照ください。
     ttps://en.wikipedia.org/wiki/Garden_of_Ninfa https://www.google.it/search?q=sermoneta&safe=active&rlz=1C5CHFA_enUS691US694&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ved=0ahUKEwiJyZL3jtvPAhWDvBQKHZEpAU0QsAQIRA&biw=1174&bih=655&dpr=2
     この素晴らしい庭園と創作活動を友人達と共有することに楽しみにしています。作品をさらにご覧なりたい方は、私のwebsite(www.gianne.org)をご閲覧ください。


    Gianne

     

    マダム・ジジ プロフィール

    GIANNE DE GENEVRAYE (ジャンヌ・ド・ジュヌブライ)

    狩猟で有名な、ロワール地方、ソーミュールにほど近い「レ・ゾーベール」の森を所有する貴族、ド・ジュヌブライ伯爵夫人として消えつつある18世紀貴族の暮らしを今に残す生活を続けると同時に、アーティスト名、ハーパーでプロの画家としての制作も続けている。アメリカ、ヨーロッパ各地から個展を開催する傍ら、「SUNDAY」等のアートブックを出版。1990年、アメリカン・アカデミー・オブ・ローマ招聘アーティスト。

    また、アメリカ独立戦争に関わった家族の末裔が中心になる活動「DAR」やロワール地方で毎夏開催されるイベント、オペラ・ボウジェ、等、音楽家や芸術家のパトロナージュを募る各種団体でメセナ活動を行っている。

    マダム・ジジのウェブサイト

     


    『マダム・ジジに教わる〜フレンチ・マナーなおもてなし』
    「Bon Chic vol.2 (別冊PLUS 1 LIVING・主婦の友社)  2010年3月」


    『フランス的美生活』
    「グレース(世界文化社)2007年10月号」


    バックナンバー

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